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書評<機龍警察 狼眼殺手>

量子通信を新たな通信インフラとして構築する巨大プロジェクト「クイアコン」。日本と中国の巨大企業と官僚がプロジェクトに絡み、甘い汁を吸おうとする輩が群がっていた。その疑獄を追求する捜査二課は、セクションの壁とプライドを捨てて、合同捜査を特捜部に持ち込む。合同捜査に着手した特捜部だが、次々と関係者が暗殺されていく。残されていたのは、カトリックの聖人のカード。浮かび上がってきたのは、アイルランドのテロリスト集団の中でももっとも凶悪な暗殺者だった。特捜部は疑獄と彼女に対し、どのように立ち向かうのか?”真の敵”が姿を現しつつあるシリーズ、第5弾。

量子通信でパワードスーツと搭乗員の脊髄を繋ぎ、脅威の機動性を発揮する兵器、通称”キモノ”。SFの要素と警察小説の要素が絡み合い、抜群の面白さを誇る<機龍警察>シリーズ。本作も面白い、面白いのだが、まるっきり警察小説であり、テロリスト狩りの物語である。いわゆる経済犯罪の地道な捜査と、テロリストとの追撃戦がメインであり、”キモノ”はまったくといっていいほど登場しない(笑)。”キモノ”はもちろん重要なテーマで、物語の根幹なのだが、ガジェットの1つになりつつある。次作は”キモノ”の活躍にも期待。

初版2017/09   早川書房/ハードカバー

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