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書評<人類はなぜ肉食をやめられないのか>


我々人類は”雑食”であり、肉も野菜も食べるが、250万年前の祖先たちは狩猟採集を中心とした生活を営んでいた。にも関わらず、肉食は現代に生きる人類にとって最大の楽しみであり、栄養源となっている。いわゆるベジタリアンの人々もいるが、その割合は欧米で約3%であり、圧倒的な少数派である。人類はその摂取量が過剰になって健康を害するまでになっても、肉食をやめられない。本書はその理由を歴史、栄養学、宗教や畜産業まで広く探り、解き明かしていく。

ベジタリアン、あるいはビーガンと呼ばれる菜食主義者の食事にも、大豆などを原料とするいわゆる”疑似肉”が登場する。宗教、健康、タブーなど様々な理由で肉を忌避する人々さえ、肉に対する愛を止められない。それが著者が本書を執筆する原点となる。人類が今の人類になるために、カロリーとタンパク質が豊富な肉は欠かせなかった。本書は肉食を人類が愛する理由を歴史から産業まで広げ、解説していく。現在ではその摂取量は少なくとも先進国では過剰であり、肉食を減らす時代にきているというのが著者の結論だ。それでなくても発展途上国の肉の摂取量が拡大して肉の価格は上がり、大量飼育される家畜は地球温暖化の原因ともなる。
しかしながら、即製飼育される豚・牛・鶏と同じカロリーを取ろうとすれば、野菜各種を大量に摂取せねばならず、ベジタリアンの生活は逆にコストがかかることとなる。世界の格差が広がる今、欧米のビーガン生活は金持ちの趣味となりつつある。著者にそのことを問うてみたい。

初版2017/06 インターシフト/ソフトカバー

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