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2017.11.18

書評<病の「皇帝」がんに挑む 人類4000年の苦闘>

先進国では病死原因のナンバーワンである悪性新生物、すなわちガン。すでに紀元前の文書にその存在の記述が見られ、人類はその病に対し、様々な治療で戦ってきたが、いまだガンを完全に克服するに至っていない。本書は白血病の専門医でもある著者が、がんと人類の4000年に渡る戦いを描くノンフィクションである。

本書はいわばガンの治療法の歴史書であるが、ただ事実を坦々と綴ったものではない。一人の患者と近代的なガン治療の始祖である医師の物語でもあり、ゆえに苦闘の歴史にグッとひきつけられる。患者の方は著者が担当する白血病の患者であり、最新ではあるものの、苦しい治療の実態には思わず感情移入してしまう。医師の方はフーバーという、化学療法を最初に実践した医師であり、医師であると同時に医療における広報も重要さに気づき、政財界を巻き込んで、ガン治療の発展に大きく貢献する。学術的ではなく、あくまで人を中心に据えた病の歴史書でありながら、しっかりと最新治療を把握できる、必読書であろう。長寿社会は、何かしらのガンの患者になる確率の高い社会でもあるのだから。本書を読んでおけば、人を惑わせる怪しい代替治療を避けることも出来るだろう。

初版2013/08 早川書房/kindle版

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