書評<JKハルは異世界で娼婦になった>
クラスのカーストでは最上位に位置していた女子高生、ハル。彼女は交通事故にあい、助けようとした同じクラスのオタクとともにファンタジー世界に飛ばされてしまう。特別な力を持たないハルは、異世界の娼館で生きていくことを決意する。
いわゆる「なろう系ライトノベル」の形をとって、実はエロい小説ということで、ネットでは一時期かなり話題になった本作。都合の良い技術(シャワーとか)が批判の対象になったが、自分としては一緒に転生したオタクが彼女を守る、みたいなありがちな物語進行ではない部分に意外性を感じた。オタクが感情移入出来る物語ではなく、あくまで主人公はハルであり、いわばハルがキャバクラでのし上がる物語といっていいんだと思う。ヘタにバトル要素も含むので、物語がとっちらかってる感は否めないが。変化球的な異世界転生小説として、個人的になありだと思う。
初版2017/12 早川書房/kindle版
« 書評<アリスマ王の愛した魔物> | Main | 書評<レッド・プラトーン 14時間の死闘> »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 書評<ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く>(2022.08.28)
- 書評<バルサ・コンプレックス “ドリームチーム”&”FCメッシ”までの栄光と凋落>(2022.05.25)
- 書評<冷蔵と人間の歴史>(2022.05.24)
- 書評<ザ・コーポレーション>(2022.05.23)
- 書評<狩りの思考法>(2022.04.19)
The comments to this entry are closed.
Comments