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書評<サルは大西洋を渡った>

地球上の生物はどのように生まれ、拡散・分断され現在に至るのか?ダーウィンの進化論およびヴェゲナーのプレートテクニクスの定着以後、主流となっていたのはパンゲア大陸で進化した生物が、大陸移動により分断され、またそれぞれに進化した「分断分布説」であった。ところが近年、現在の生物のDNA分析や行動分析により、風や海流といった自然現象により多くの生物が大洋を渡ったとする「分散分布説」が台頭してきている。本書はその「分散分布説」がどのように研究され、理解されてきたかを解説する。

いかにも海水に弱そうな淡水の両生類がどのようにして海を渡ったのか?あるいはなぜ、大洋を渡る能力などなさそうなサルたちのDNAが、大西洋両岸のそれぞれの種で一致点があるのか?本書はそうした「分散分布説」の謎を明かしていく。DNAの分子時計ですべてを計算するのではなく、風が昆虫を運び、大河の淡水の固まりがそのまま海水中を移動する様をフィールドワークで解明していく。パラダイムの変化を指し示す、生物学の長編である。

初版2017/11 みすず書房/ハードカバー

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