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2018.02.21

書評<オリンピック秘史 120年の覇権と利権>

これを書いている現在、韓国で平昌オリンピックが開催されているが、南北朝鮮の合同チーム出場など、オリンピックの”政治利用”に事欠かない大会であったことは間違いない。だが、近代オリンピックはその当初から、崇高な理念とは別に、政治や経済との絡みに事欠かないスポーツ大会であった。本書は近代五輪の父、クーベルタンの時代から現代まで、オリンピックの舞台裏を明かしていくノンフィクションである。

あらゆるものがそうだが、オリンピックもまた、その理念を変えながら発展してきた。当初は女性の参加は歓迎されなかったし、黒人も同様である。また、オリンピックはアマチュアリズムからプロフェッショナリズムへと、商業主義への転換の歴史でもあり、オリンピックを経済や政治の転換点に使おうとする国家に事欠かない。本書はそうした歴史を明かしていく。特に近年はオリンピックの大規模化により、開催国家や自治体に過大な負担をかけ、巨大企業とIOCだけは巨大な利潤を上げながら、地元住民は搾取に苦しむという「祝賀資本主義」そのものになりつつあることが問題視されている。オリンピックの開催地に立候補しようという国、自治体はもはや少数派である、近年の経済のグローバリズムと同じく閉塞感を感じざるを得ないのだ。
果たしていつまでオリンピックとスポーツが「大衆の麻薬」「経済的搾取」であり続けるのか?そんなことを問いかける一冊である。

初版2018/01 早川書房/kindle版

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