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書評<炎と怒り トランプ政権の内幕>

アメリカ大手メディアの予測を覆して選挙に勝利し、アメリカ合衆国大統領に就任したドナルド・トランプ。政治家としての経験がないトランプ大統領とその側近、ワシントンの常識を覆すことこそが自分の仕事だと承知しているトランプ大統領の発言と行動が、世界を混沌とさせている。その意思決定の現場であるホワイトハウスの中はどのような状態に陥っているのか?内部告発を巧みに組み立て、トランプ大統領就任後1年を暴いた問題作。

本書により、トランプ大統領は辞任に追い込まれるといわれたものである。それゆえ、早川書房としても異例の速攻翻訳・発売であったはずなのに、トランプ大統領の行動はもっと早い。本書に登場するトランプ大統領選出の官僚たちはほとんどいなくなったと言っても過言ではないし、外交や貿易政策もガンガンと新しい手を打ってくるので、本書に書かれていることなど、もはや過去の一場面に過ぎない。
一応本書に触れておくと、メインはバノン氏をはじめとしてオルタナティブ右派勢力と、ジャーヴィンカと呼ばれるトランプ大統領の娘と娘婿夫婦の派閥争いである。とにかく歴代の民主党選出大統領が打ち出した政策やグローバリズムの否定に快感を覚えるバノンと、割と穏健で常識的な方向に持っていきたいイヴァンカ夫婦の間で政策が翻弄される様は滑稽ですらある。4月中旬現在でバノンは退場したが、今度は強硬な右派、ボルトン氏が安全保障担当補佐官に就任し、またもや外交が見通せなくなった。世界の首脳は、少なくとももう3年はトランプ大統領に振り回される日々が続くだろう。


初版2018/02 早川書房/kindle版

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