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書評<ウルフ・ボーイズ――二人のアメリカ人少年とメキシコで最も危険な麻薬カルテ>

テキサス州ラレド。メキシコとの国境の貧しい街は、メキシコで跋扈する麻薬カルテルたちの影響を大きく受け、街の少年の多くは10代で犯罪に走る。そんな環境の中で、10代でシカリオと呼ばれる暗殺者となった少年たちと、それを取り締まる若き警官。本書はラレドの街とメキシコにはびこる犯罪と、10代にして終身刑になった少年の過激な行動とその内面に何があったのかを綴るノンフィクションである。

メキシコの国境の街に蔓延る麻薬カルテルについては、多くの書物や映画で取り上げられてきた。本書はその中でもライバルの組織やカルテル内の敵、果てはリーダーの元カノとその彼氏など、邪魔者は殺していくシカリオと呼ばれる暗殺者となった少年の物語である。アメリカの援助で訓練を受けた警官や兵士がカルテルに鞍替えし、少年たちを訓練する。修羅場をくぐり抜けた主人公たちは、殺人を重ねていく。貧しい街では手にすることのなかったカネとプライドを手に入れ、カルテルの幹部たちの指示に黙々と従う。だが、それもやがてカルテル同士の抗争の中でミスを犯し、警察に追い詰められていく。
本書は一方で、メキシコとテキサス、国境を挟んで揺れる人々の歴史の物語でもある。歴史の中で無理矢理引かれた国境線に翻弄される貧しい人々。残酷なカルテル、賄賂が常態化している警察はじめとする自治隊、政府組織。近年のカルテルの活動は、急に立ち上がったわけではないことを本書は教えてくれる。

初版2018/03 青土社/kindle版

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