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書評<遺伝子―親密なる人類史>

地球上の生物のセントラルドグマたる遺伝子。遺伝子はいつ発見され、その研究はどのように進んできたのか。そして、医療にはどのような影響を与えてきたのか。名著「がん‐4000年の歴史」の著者が遺伝子研究の歴史を辿る。

DNAとそこにコードされる遺伝子の研究と医学への応用はいまや各分野が先鋭化し、いわゆる「通史」たるものは意外と少ない。本書は医師である著者自身と、精神的疾患を持つ彼の家族の物語を軸にすえ、メンデルからはじまる遺伝子の発見と研究の発展を辿る。1つの謎を解けば10の謎が増える遺伝子に立ち向かう研究者たち。遺伝子解析が進みつつある中、倫理的な批判を受けながらも、果敢に遺伝子組み換えを医療に応用しようとする医師たちの物語を綴っていく。事実を淡々と積み重ねていくのではなく、あくまで医師や研究者たちを追い、彼彼女たちの個性にも触れながら歴史を辿っているので、決して無味乾燥な物語にはなっていないところが類書にない特徴であり、本書を遺伝子研究の歴史書の一級品たるものにしている。

初版2018/02 早川書房/kindle版

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