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書評<アメリカ超能力研究の真実――国家機密プログラムの全貌>

オカルトの代表格の1つ、超能力。第2次大戦後、人間の能力を拡張しようとするブームが訪れ、一時期は裕福な資産家やアーティストが、こぞって透視能力や遠隔操作能力を持つと自称する超能力者や、超能力を研究する科学者を支援した。厳格な現実主義者たちの集団であるはずの軍隊でも、超能力の研究に力を注ぎ、実戦投入しようとした。本書は推測やウワサに頼ることなく、公開されたアメリカ国防省の公文書や、研究組織に所属した関係者のインタビューを通じて、陸軍による超能力研究の実態を明かしていく。

日本でも70年~80年代にブームとなった超能力。そのブームの中心人物であるユリ・ゲラーも本書に登場する。また、超能力ブームの延長戦に存在した”超能力捜査”で数々のテレビに出演した自称”能力者”も登場する。要するに、アメリカ軍と日本のテレビの両方に主要人物が関わるくらい、超能力ブームとは閉鎖的で、少人数の間で起こったことなのだ。だが、あくまでアメリカ陸軍は超能力の研究にあくまで本気だった。そこにはソ連の影がちらつく。ソ連が超能力の研究をしているという情報が、アメリカ陸軍の上層部を惑わす。ここにも冷戦があったのだ。
だが、現実は厳しかった。奇跡は確かにあったのかも知れない。しかしそれは属人的なもので、軍が望むように「訓練して身に付く能力」ではなかったのだ。
本書は超能力を否定するものでも肯定するものでもない。だが、本書の最後にユリ・ゲラーが超能力を通して各国の要人と親しくし、またイスラエルの要人と親しくことを示唆しているのは意味深い。

初版2018/03 太田出版/ソフトカバー

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