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F-106B Completed

トランぺッター1/72F-106Bデルタダート、完成しました。
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コンベアF-106デルタダートはセンチュリーシリーズと呼ばれる、1950年代~60年代に開発されたアメリカの超音速戦闘機の1つ。F-106は要撃戦闘機であるF-102を基礎に、エリアルールの採用やスタイルをブラッシュアップし、アメリカ本土で防空の任に就きました。AAMを機内搭載した大型のデルタ翼機は機動性も高く、F-15イーグルが登場するまで”ベストファイター”と呼ばれました。F-106Bはその複座トレイナーとなります。

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キットはトランぺッターの1/72をストレート組み。細部はややダルいものの、組み上げるのにさほど手間はかからず。F-106Bをインジェクションキットで発売してくれることだけでも感謝です(笑)。今回は試験部隊の機体であるため、ウェポンベイは閉めましたが、キットではもちろん再現されています。

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塗装はエクストラデカールを使用して、1979年のB-1B試験部隊でチェイサーとして使われた機体を再現。エアクラフトグレーと自家製のインターナショナルオレンジを吹いた後、経年劣化した機体であることを想定し、やや強めにフィルタリングしています。

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昨年制作した、MENGのF-106Aとツーショット。翼端灯やリベット、エアブレーキなど各所に解釈の違いはありますが、意外にスタイルの違いはなくて両者ともエリアルール独特のくびれた胴体がよく再現されています。

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センチュリーシリーズの機体は超音速戦闘機らしいスピード感と、後年のスマートな期待とは違う力強さが両方感じられて、見ていてあきませんね。ここまでくると、ゲテものF-102Bの発売にも期待です(笑)。


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Mig-21MF Completed

エデュアルド1/72Mig-21MFフィッシュベッド、完成しました。
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Mig-21は1960年代にソ連のMig設計局が開発した超音速戦闘機で、2000年代まで多くの中小国空軍で現役にあったベストセラー戦闘機の1つです。当初はシンプルな前線用の戦闘機でしたが、後に電子装備や燃料タンクの増設などにより、だんだんとハンプバックやフェアリングが大きくなっており、Mig-21MFはその最終形態に近いサブタイプです。

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機体はエデュアルドの新商品をストレート組み。多くのディテールアップパーツやそれをセットしたコラボ商品を発売しているエデュアルドですが、近年は自社製のインジェクションキットそのものも開発しています。パーツはシャープの一言で、カラーエッチングや質の良いデカールなどスキがないカンペキなキット...と言いたいところですが、唯一の欠点はシートのパーツが大きすぎて、コクピットに入らないこと。しかも組み立て説明書の最後の方にシートの製作記事があるので、油断してました。今回は塗装後のシートを無理矢理削って入れ込んでいます。

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塗装はクレオスのオールドタイマー機用の特色、アルミナイズドシルバーを全面吹きつけ。この塗料、エナメルシンナーに弱いので、そこを逆手にとって、スミ入れついでに綿棒でやさしくこすって経年劣化によるムラを再現しようとしています。機首はアクセント兼ねてファインシルバーにしています。

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デカールはルーマニア空軍を選択。冷戦時代の東欧というと、独裁者チャウシェスク大統領を思い出してしまうので(笑)。先に書きましたが、デカールもたいへん良質なものです。

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キットのサイズと値段のつり合いはともかく、お手軽にシャープなMig-21MFが完成する良キット。誰にでもおススメできます。Mig-21SMTはじめ、サブタイプのラインナップも期待ですね。


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書評<蜂と蟻に刺されてみた―「痛さ」からわかった毒針昆虫のヒミツ>

アリとハチ。子供の頃からよほどインドアな生活を送ってこなかった限り、アリに噛まれたりハチに刺された経験は誰にでもあるのではないだろうか?アリもハチも身近な昆虫だが、その生態は千差万別で、その毒針から注入される毒も千差万別である。本書は著名な昆虫学者である著者が、世界中の刺針を持つアリとハチの多様な生態と毒の効能を紹介していく。

アリとハチの毒針と毒にはさんざんイヤな思いもしたが、なぜか興味深い。その巧妙な生存戦略や、”超個体”と呼ばれる哺乳類とは違った進化の形態のせいだろう。本書は刺針をもつアリとハチ(基本的に彼らは同じ属であり、仲間である)の生存戦略をまず全体的に紹介し、そこから各個のアリとハチを紹介する。本書は毒と痛みがテーマでもあり、著者本人が差された経験から痛みのレベルを1~4に分類するとともに、毒の成分を明かしていく。昆虫の毒の成分は多様であり、まだ分からないことも多いが、多様なペプチドがそれをもたらすようである。
それにしても、著者は多くのハチとアリに刺されているが、よくアレルギーにならないものである。アナフィラキシーショックとは何か、その謎も深まるばかりである。


初版2018/06 白揚社/ハードカバー

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書評<チャヴ 弱者を敵視する社会>

イギリスの貧しい労働者は<チャヴ>と俗称される。公共住宅に住み、無職か不安定な職に就き、無責任に妊娠し、わずかな収入は酒か麻薬に費やす。こうしたイギリスの貧困層はどのように形作られ、イギリスの社会にどのような扱いを受けているのか?本書はサッシャー政権以後の政策を軸に、イギリスの新たな階級社会の実態を描き出す。

サッチャー政権が誕生した1979年、炭鉱や自動車産業、造船業といった製造業は国際的競争に敗れ、イギリスは没落の一途を辿っていた。サッチャーは大胆な改革を打ち出し、ロンドンのシティに代表される金融業を中心とする産業構造の変革をはかった。だがその政策は多くの労働者の失業を招き、公共住宅で生活保護を受けて暮らす貧困層を多く生み出す。
イギリスの歴代政権は、そうした貧困層への対策を積極的に行ってこなかった。イギリスにいまや「階級」は存在せず、自助努力によって中産階級に上昇できるはずだ、というのが根拠である。ようするに「やる気」の問題だと。
だがしかし、実態は違う。貧困層は無職あるいは不安定な収入しかないサービス業に従事し、子供たちに中産階級以上の人間と同等の教育を与えられない。よく言われる「貧困の連鎖」である。
ここまではグローバル化が進展し、産業構造が変わった先進国によくある話ともいえる。イギリス独特の状況というのは、彼ら貧困層を攻撃することが許されていることだ。上流階級出身のマスコミは労働者階級の実態を知ろうともせず、わずかな事例を基に労働者階級の人間性と意欲のなさを問う。政治家も計画性もなく妊娠する女性たちの人格を攻撃する。弱者との分断が積極的に行われているのだ。政府にとって「救うべき弱者」ではないのだ。
そして労働者階級は、不満を中産階級や政治家に向けるのではなく、移民にぶつける。弱者の敵は弱者、というわけだ。
翻って我が日本。製造業はなんだかんだ言いながら持ちこたえているが、中国など新興国の台頭により、それがいつまで続くか分からない。マスコミは一応弱者の味方のふりをするが、その偏狭なポリティカルコレクトネスが、逆に反感を買っている。
社会を論じる際、ネットや本でよく「欧米では~」という言質を目にするが、本書はリベラルな社会であるはずの欧米の実態を暴いている。ここにいたらぬようにするにはどうすべきか、そのヒントも本書にはあるので、ぜひ政治家にも読んでほしい本である。

初版2017/07 海と月社/ソフトカバー

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