書評<シネマの神は細部に宿る>
押井守カントクが対談形式で映画を批評するコラムエッセイ集。今回は、映画が覗かせる”フェチ”を取り上げる。女性、衣装、銃火器、航空機などなど。映画製作者がこだわりぬき、映画を見た者に鮮烈な印象を残す”小道具”について、好き勝手に語っていく。
押井カントクでなくても、クリエイターなら「神は細部に宿る」を実践している人も多いだろう。本書は映画そのものの印象すら変えてしまう小道具や俳優たちを語っていく。そこは押井カントクなので非常に偏っているのだが、「そこまで考えて映画作っているのか!」と唸らされることしきりなのも確か。それと、押井カントク、けっこう他作品からいろんな要素引用してるのね。日本の稀にみるクリエイターでも、膨大な映画鑑賞が血肉となっているのだ。ある程度年齢を重ねると好みが固定されてくるものだが、玉石混交で様々な作品を鑑賞することが必要なのがよく分かる。
初版2018/08 東京ニュース通信社/ソフトカバー
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