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2019.05.02

書評<鋼鉄の犬>

IEDにより負傷した軍用犬とともに陸軍の職を辞した調教師(ハンドラー)、アル。失意の底にあったアルに、相棒であるルークの主治医が、PMC(民間軍事会社)からのオファーを紹介する。オファーは調教師(ハンドラー)であるアルの能力を求めたものだが、調教するのは4本脚で歩行する知能ロボットであった。危険な内戦の地で、実施での試験が始まる。

 

ネットでときどき見かける、4本脚の動物を模したロボット。携行する装備が増えすぎた兵士の補助として、アメリカ陸軍では実際に導入が検討されている。本書はフィクションではあるが、そうした最新の軍用ロボット事情を反映したものである。

そして本書のもう一人の主人公、軍用犬のルーク。脚を負傷しているが、そのモフモフぐあいで現地の子供たちとの懸け橋となり、ときに軍用ロボットといいコンビを見せたりする。

本書は今後の戦争でロボットが発揮するであろう能力と、我々の相棒である犬の持つ力をバランスよくミックスした、優れたフィクションである。

 

初版2018/12    マイクロマガジン社/kindle版

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