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2019.07.25

MIRAGE Ⅳ A Completed

A&Aモデル1/72ダッソー・ブレゲー ミラージュⅣA、完成しました。

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ミラージュⅣAはフランス初の核抑止力として開発された長距離超音速爆撃機です。1959年に初飛行して以後、改良を続けながら1980年代中盤にミラージュ2000Dが実戦配備されるまで、フランスの貴重な核戦力として現役にとどまりました。

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ダッソー・ブレゲーは新規設計のリスクを抑えるため、ミラージュⅣを傑作機であるミラージュⅢを大型・双発化した形態で開発しました。大型の核爆弾は中央胴体を凹ませる形で機体と一体化して搭載、胴体下部に地形追随レーダーを搭載しているのが特徴です。

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A&Aモデルのキットは昨年発売の新キット。ですが、簡易インジェクションのパーツはヒケが多数。スジ彫りは運河彫り、勘合は最悪と21世紀のキットとは思えませんが、瞬着とパテで強引に飛行機の形にしています。胴体付近は接着ダボもないため、プラ板で補強しています。スジ彫りについては、サンディングで消えたところはネットで拾った図面を元に彫り直し。各種アンテナ、機首のフィンなどは説明書もパーツも怪しさ満点なので、ネットの写真を元に自作しています。

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サーフェサー吹くまでは一苦労ですが、塗装は迷彩パターンも複雑でないため、それまでの苦労を思えば一瞬です。ダークグレーはクレオスC337ダークグリーン、ダークグリーンはC309をビン生で吹付け。さんざんキットの文句書いてきましたが、デカールだけは品質最高です。ダークグリーンの上に載せた国籍マークの発色にはちょっと感動。

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このキット、ちょっと挫折しかけましたが、下面に必要以上にこだわらず完成を優先しました。また、デカールは初期のシルバー塗装の指定もありますが、パテ、瞬着盛った後に荒い目のペーパーで削っているので、ワタシのウデでは表面処理が荒く、とても金属色の塗装は無理と判断。迷彩塗装としています。だいぶ割り切っての製作でしたが、ダッソーのデルタ翼機特有の雰囲気は出せたと思います。

同じ系列のメーカーからの発売がウワサされるミラージュ2000、もうちょっと作りやすいといいな。

2019.07.24

書評<「いいね! 」戦争 兵器化するソーシャルメディア >

Twitter、FacebookといったいわゆるSNSが登場して間もないが、すでに世界中の人々に必然とされるようになった。SNSは短い文章と、決定的な一瞬を切り取った画像で世界中の出来事を瞬時に拡散する。そしてそれは、人々の感情を揺さぶり、分断させる。そういった革新的な機構が、世界の紛争・戦争に影響を与えるのに時間はかからなかった。「こども兵の戦争」「ロボットの戦争」」といった”戦争の変わり目”を的確にしてきた著者が、あらたな現代の戦争のかたちと、それに対する勝利条件を提示する。

 

ISを中心としたテロリストたちと国家機構の戦争。イスラエルとパレスチナゲリラの長きに渡る戦い。ウクライナとロシアの領土紛争。SNSが出現した後に起こった紛争は、いずれもそれが大きな影響を与えた。ISは残酷な画像と同時に、現代の世界に不満を抱える人々に”国家に対抗する理由とその物語”を与え、新兵を勧誘した。パレスチナでは、少女が激しい空爆やそれに伴う破壊と犠牲を生中継し、イスラエルを国際社会から孤立させた。ウクライナ東部を巡る紛争では、ロシア政府が民間企業に情報操作を委託し、国際社会の情勢判断を混乱させた。いずれも、武力に関係ないSNSの書き込みが、戦争の行方に決定的な影響を与えた。いわば「いいね!」の数が勝利の必然条件になってきたのだ(何を戦争の勝利とするかは別の話)。本書はまず、そもそもインターネットとは何か?という問いから過去に遡り、先に上げた事例を分析しながら、”SNSの戦争”を分析していく。国家が押し通そうとする”経済的利益と正義による戦争”よりも、SNSで拡散する”物語としての戦争”を人々が優先する時代になった理由は何か。人間は理屈ではなく、感情に左右される動物であることを理解せねばなるまい。そしてSNSはその感情を増幅し、訴える力を増していくツールである。インターネットは、その登場当初にいわれたように、人々を統合する道具ではなくなった。SNSの登場で、むしろ人々を分断していく道具になったことを本書は訴える。SNSを立ち上げたシリコンバレーの”ビリオンダラー”たちが唱える理想は、いまや幻のものであることを人々は自覚せねばならないのだ。そしてシリコンバレーにも、我々にも、等しく判断と責任が求められる時代であることを、本書は提示する。我々は21世紀における最初の戦争の形態変化を目撃していることを突きつける一冊である。

 

初版/2019/06    NHK出版/ハードカバー

2019.07.23

書評<エイズの起源>

1980年代、ニューヨークで突如出現したエイズ。最初はゲイのコミュニティを中心とした特殊な伝染病として危機感を抱かなかった世界だが、その感染性と致死率の高さが明らかになってくると、人類に対する大きな脅威と認識され、研究が始まる。エイズの原因がHIVウイルスと判定されると、その起源を追う努力も始まることとなる。本書は世界中の研究者が追ったHIVウイルス起源を追う研究をまとめ、パンデミックの謎にせまるものである。

 

HIVウイルスはチンパンジーの後天性免疫不全症候群を引き起こすウイルスを起源としている。遺伝子解析をはじめとした分子生物学でそこまでは追跡できる。だが、アフリカの奥地で暮らすチンパンジーのウイルスがヒトに感染したのはいつ、どこで?そして、どのようにして第一患者から、世界に拡散したのか。その疑問を解き明かすには、アフリカの植民地化のに伴う未開地医療、独立後は貧困に伴う売血と売春といった暗い歴史の研究が必然であった。植民地化によって、善意で為された医療行為がHIVウイルスを移動させ、遺伝子の多様化を招いた。さらに、南米のハイチの”援助”がウイルスをさらに蔓延させた。本書はそれらの歴史的事実を検証し、厳然たる事実を突きつける。文書にはまったく感情的な要素や表現はないが、HIVウイルスは人類の短期間で無計画な自然への侵入が招いた”罪と罰”といった暗い気分にさせられる。統計と確率に感情を揺さぶられる、すぐれたノンフィクションである。

 

初版/2017/07    みすず書房/ハードカバー

2019.07.22

書評<三体>

文化大革命中の粛清により父を失い、自らも北京から地方に派遣された天体物理学者の葉文潔。彼女はやがて人民解放軍と党本部の運営する大型電波施設で働くことになる。文化大革命での為された数々の愚行により、人類に絶望していた彼女がそこでとった行動により、人類は絶望的な未来を抱え込むこととなった。時は過ぎて現代。その絶望的な未来が現実なものとなりつつあった。

 

アメリカで火がつき、日本語に翻訳された話題のSF作品。天体物理学の大問題をモチーフとし、銀河系星系にまで大風呂敷を広げ、サスペンスも盛り込む。至極まっとう、正統派のSF作品である。中国が抱えている暗い過去をプロローグとしている点で「よく政府の検閲とおったな」感もあり(共産党の文革と天安門事件の扱いの違いが垣間見ることが出来る)、このSFが中国でしか書けない理由も作品の中にしっかり盛り込まれており、なるほどアメリカでもヒットするはずだ。本作は三部作のスタートとなる作品であり、ここからさらに驚きの展開が待っているそうだ。今から楽しみである。

 

初版/2019/07  早川書房/ハードカバー

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