書評<異修羅I 新魔王戦争>
「本物の魔王」が世界を滅ぼすかの勢いで破壊と殺戮を繰り広げた後の世界。人間の都市で唯一生き残った「黄都」に対し、「魔王自称者」が衛星都市にて反乱を起こす。黄都と新興国の対立と戦闘は、魔王を倒すべく集められた「勇者候補」にエントリーするための試験でもあった。彼方の地から流れ着いた客人、獣人、ホムンクルスなど超常の力を持ったものたちが、破滅的な戦闘を繰り返す物語。
いわゆる”なろう系”のライトノベルだが、とにかく文章がカッコイイのである。ライトなギャグや異性関係など余計な伏線を盛り込まず、異能者たちの戦闘の描写にひたすら徹する。いわゆる二つ名を含めた名乗り。文章の切り方。破滅的な戦いを前にした戦士たちの会話。痺れるとしかいいようがない。この調子で続編を続けてほしい。
初版2019/09 KADOKAWA/kindle版
« 書評<魔王 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男> | Main | 書評<イスラム2.0: SNSが変えた1400年の宗教観> »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 書評<ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く>(2022.08.28)
- 書評<バルサ・コンプレックス “ドリームチーム”&”FCメッシ”までの栄光と凋落>(2022.05.25)
- 書評<冷蔵と人間の歴史>(2022.05.24)
- 書評<ザ・コーポレーション>(2022.05.23)
- 書評<狩りの思考法>(2022.04.19)
The comments to this entry are closed.
Comments