書評<奇書の世界史 歴史を動かす“ヤバい書物”の物語>
本書で紹介する奇書とは、数“奇”な運命をたどった“書”物である。”魔女狩り”という、当時の価値観では当たり前のように行われた際に参考にされ、ベストセラーになった本。多くの少年や科学者の運命を変え、人類を月にまで送り出すきっかけとなった著作。その著作により、異端審問にかけられたガリレオは「それでも地球は回っている」と本当に言ったのか?様々な著作の運命を探っていく。
本書はYoutubeで公開されている書評を書籍化したという、今風の著作だ。なので豊富な図表を交え、発売当時の書籍の雰囲気をうまく伝えながら、柔らかい文体で内容を解説していく。当時の人びとが本を読むことによって、現代では考えられない行動を促されたのはなぜなのか?当時の風俗や疫病、宗教などを分析しており、価値観の変化が分かりやすい。今現在も、本書でいうところの”奇書”が生み出されているんだろうなあ、と思わずにはいられない本である。
初版2019/08 KADOKAWA/kindle版
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