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2020.01.04

書評<異世界誕生 2006>


 


何度目かのライトノベルブームが到来し、後に定番となる「異世界転生」のストーリーがボチボチ見られるようになった2006年。ある一人のオタク、タカシが交通事故で死んだ。彼を溺愛してきた母親フミエは、HDDに残された小説のプロットを元に拙いタッチで小説を書き始める。一方で、そんな母親がたまらなく嫌な妹、チカはタカシをはねた事故当事者の片山に相談する。混沌とした家族関係、人間関係は解きほぐれるのか?

本書は"救いの物語"である。オーバーではない。息子の喪失から奇異な方法で逃れようとする母親。自分自身で賢いと思っていても、まだまだ子供である妹。罪の意識にさいなまれる交通事故加害者。そんな彼彼女らが"クソオブクソ"であるプロットのノベルを巡って絡み合い、そしてネットの助けも借りてある種の救いを得る。ネットのレビューでは"稚拙"と批判されてる劇中劇だが、稚拙であるからこそ人間模様が巡るのだ。爽やかな読後感のライトノベルである。


初版2019/08  講談社/Kindle版

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