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2020.01.21

書評<鳥マニアックス>

地球上の動物の中で、とりわけ特徴的なのが鳥類だ。彼らはなんといっても大気圏内を飛行し、水中と地上を行き来し、夜間に飛行する種もいれば長距離を飛行し渡りをするものもいる。著者は本書で鳥類のそれらのメカニズムを、物理的な解析とオタク的なマニアックな知識を比喩に使うことによって、とっつきやすく、なおかつディープに解説していく。

例えば、そもそも鳥はどうやって揚力を得ているのか?鳥の羽が航空機でいうところの翼断面をしているのは確かだが、では推進力や舵面はどう確保しているのか?映像解析すると、鳥の羽ばたきと飛行は、固定翼機というよりローターをアクチュエータ−で動かすヘリコプターに近い。これは本書の第1章の解説だが、もうこれだけで抜群に面白い。本書は著者の本業である鳥類の研究と、趣味であるミリタリーやアニメの要素を組み合わせて、鳥類の驚くべき身体的な特徴を解説していく。生物学は意外と学術的な解説だけでは難解だが、オタクが浅く理解している物理学の基礎を持ってすれば、理解が何倍も理解が早くなる。オタクにとって鳥類がもっと身近になる、そんな一冊だ。

 

初版2019/11    カンゼン/kindle版

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