書評<未完の計画機3>
古今東西の未完の航空機たちの物語を、設計者や経営者まで遡って紹介するコラム集の第3弾。今回はアメリカのレンズ状の宇宙船やソ連の地球軌道往還船など宇宙関係の航空機も多く登場する。
昨今の航空機ははシルエットは多少違っていても、"設計のルール"は確定しており、どうしても似たような印象が多い。また、大手の老舗企業は例え政府請け負いの仕事でも、リスクを背負って開発することは少なくなっている。おかげで本書で取り上げられている"百花繚乱"ともいえる驚くような外形を持つ航空機は少ない。
だが同時に、いわゆるスタートアップ企業は続々と登場し、新規技術開発も盛んだ。モノになるかはどうかは別として、多くの"予想イラスト"が描かれる時代が到来している。2010年代や2020年代は後年、本書のような特集にどのように総括されるのだろうか。そんなことを考えさせられる一冊である。
初版2019/12 イカロス出版/大型本
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