書評<やがて僕は大軍師と呼ばれるらしい1>
初版2019/09 KADOKAWA/Kindle版
銃の力で人族がエルフやオークといった他種族を圧倒しつつあるファンタジー世界。エルフの村で育てられたガーディは人族でありながら、エルフ語を操り、人族とは異なる価値観の世界で生きてきた。しかし、彼は戦争とイントラシア国の金貨姫との出会いにより、軍師として頭角を現しはじめる。
「マージナルオペレーション」などで、ライトノベルの中でもミリタリーな要素を盛り込む著者の描くファンタジー世界の物語。”無限の優しさ”という権能を持ち、エルフ語を操るガーディはフェアリーやオークといった他種族と深くコミュニケーションをとり、彼彼女らを使いながら、銃を多数持つ人族に対抗する。フェアリーは偵察と通信を、巨人族を主戦闘戦車(MBT)として諸兵科連合を組むのだ。ミリオタならにやりとする演出。世話好きお姫様やぶきっちょハーフオークの女戦士とのラブコメ要素もあり、そこはラノベなのだが、しっかりと戦争の”悲惨”の描写からも逃げない。著者の本領発揮だ。2巻まで発売されているが、もっと続きが読みたくなる小説だ。
« 書評<戦車将軍グデーリアン 「電撃戦」を演出した男 > | Main | GWH1/72F-14A Tomcat Completed »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 書評<ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く>(2022.08.28)
- 書評<バルサ・コンプレックス “ドリームチーム”&”FCメッシ”までの栄光と凋落>(2022.05.25)
- 書評<冷蔵と人間の歴史>(2022.05.24)
- 書評<ザ・コーポレーション>(2022.05.23)
- 書評<狩りの思考法>(2022.04.19)
The comments to this entry are closed.
Comments