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2021.01.18

書評<南北戦争-アメリカを二つに裂いた内戦>

南北戦争はアメリカの歴史の中で最大のターニングポイントである。アメリカが奴隷制度を巡って南部と北部に分裂し、内戦を戦ったことは現在まで多大な影響を残している。本書はその南北戦争の軍事的・政治的経緯を簡潔にまとめた入門書であり、内戦が残したものを問う。

自分を含むミリオタの多くが、南北戦争のことは意外と知らない。軍事的に見れば、第1次世界大戦ほどは兵器に革命的な進化は起きておらず、戦略・戦術も洗練されたものではない。政治的にも、リンカーン大統領を含めて意外と煮え切らないリーダーや将軍たちの姿が目立つ。だが、南北戦争中の何年かに急速に軍事、政治とも洗練されていき、現在のアメリカ合衆国になっていく。そうした変化を本書はよく捉えている。本書を読めば、2021年現在のいわゆる「アメリカの分裂」も、経済格差や人種差別といったものだけが原因ではなく、合衆国の歴史的経緯がそれをもたらしていることがよく分かる。「本書を読めば南北戦争が分かる」と書くと著者本人が笑うかもしれないが、トランプ大統領の集会で南部連合旗が躍ることに多数の意味が見いだせることは理解できる。

初版2020/12    中央公論新社/ソフトカバー

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