« MIRAGE2000C(GREEK AIR FOECE) Completed | Main | 書評<転生令嬢と数奇な人生を1 辺境の花嫁> »

2022.01.04

書評<プロジェクト・ヘイル・メアリー>

ほんのわずかな時間で、太陽からの光が減少しつつあることが観測される。それは未知の物質に太陽が”感染”し、太陽からのエネルギーを”吸収”しているからだと判明。人類はその謎を解明し、破局を回避するために途方もない計画に着手する。それは太陽系の周辺で唯一、光が減退していない恒星系に人類を送り込み、謎を解明することだった。そして送り込まれた科学者は、その恒星系でファースト・コンタクトを果たす。果たして、彼は使命をまっとうできるのか?

主人公は「生命の発生に必ずしも水は必要ではない」という異端の説を唱えて科学界を追われ、教師をしている元科学者。物語は彼が宇宙船の中で目覚め、徐々にそこに至る経緯を思い出すところから始まる。彼は地球生命の危機に際し、未知の物質を分析するために強制的に召集されたのだ。結果として自分が唱えていた持論が覆されるところから、物語はジェットコースターのように展開する。カタストロフィを回避するSFかと思えば、行き先の恒星系で異星人と出会うファーストコンタクト系SFとなり、そこからは著者の過去作にも似るエンジニア系SFとなっていく。さまざまな要素がいっぱい詰まった本書、自分としては「科学者とエンジニアの友情SF」と捉える。いっけん不可能なことを可能にするにはどうしたらいいか?懸命に解決策を考え、手持ちの技術で装置を開発し、危機を回避する。それを生命としての形態や言語、持っているテクノロジーも違う異星人が実現していくのである。これほど痛快なことはない。2021年度ナンバーワンSFだ。 

初版2021/12   早川書房/kindle版

« MIRAGE2000C(GREEK AIR FOECE) Completed | Main | 書評<転生令嬢と数奇な人生を1 辺境の花嫁> »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

« MIRAGE2000C(GREEK AIR FOECE) Completed | Main | 書評<転生令嬢と数奇な人生を1 辺境の花嫁> »

My Photo
August 2022
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

Twitter


無料ブログはココログ