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2022.08.28

書評<ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く>

GoogleMapが世界を覆い、SNSに世界の事件、事故の画像が瞬時に上がっていく昨今、注目を集めているのがOSINT(OpensouseInteligence)である。真偽が簡単には確認できない紛争や内戦、テロの情報を、GoogleMapやSNSに上げられる画像などを吟味し、事実と画像の一致を見出し、真実を公開し、一般に周知させる。本書はそうした活動で注目されるようになったOSINTチーム、べリングキャットの創始者が、自らべリングキャット創設の短い歴史を明らかにしていく。

本書は何者でもなかった(それどころか無職に近い立場)著者が、世界中の報道番組や情報組織から注目されるOSINTチームを立ち上げた経緯やチームの活動を明らかにする。本書をで印象的なのは、OSINTはとにかく「時間と根性」が必要なことだ。広大なネットから、目的の画像や情報を拾い上げるのは簡単なことではない。いまどきは政府が主導するフェイクニュース拡散もある。それらから意味ある情報を事実と確認するには、膨大な時間が必要だ。それに、ピンボケの画像に写る兵器や車両を確認するには、専門的な知識が必要でもある。それらを確認するためには、クローズドで、なおかつ信頼できるネットワークを作り上げなければならない。決して容易なことではないのだ。

一方、本書ではOSINTの限界も感じさせる。べリングキャットは情報探索の奥底に潜るにつれ、政府組織内などの匿名の情報源に接触するようになった。やはり情報収集にはHUMINT(対人情報)も必要なのだ。ネットだけでは世界は完結しない。本書はそうしたことも感じさせる。

 

初版2022/03  筑摩書房/ソフトカバー

 

2022.08.27

Mig-29 9.13”キーウの幽霊(Привид Києва,)”Completed

IBG1/72Mig-29”キーウの幽霊(Привид Києва,)”、完成しました。

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2022年2月、世界が注視する中で開始されたロシアによるウクライナ侵攻。開戦当初、首都キーウ攻略を援護するロシア空軍機との激しい航空戦が発生し、真偽不明ながら撃墜機6機という、今世紀最初のエースパイロット誕生のニュースが伝えられました(のちにフェイク画像とニュースであることが判明)。複数のメーカーが”キーウの幽霊”と呼ばれた機体のキット化を即座に発表。IBGのキットもその1つです。

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IBGはポーランドのメーカーですが、本キットのパーツはトランぺッターのMig-29”9.13”のもの。そのパーツに独特のデジタル迷彩のデカールがセットされています。キットもデカールも最新のキットらしく質の高いものなので、製作は比較的早く進められます。

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塗装はクレオスC338ライトグレーを吹いた後、デジタル迷彩のデカールを貼りこみました。大判デカールですが軟化剤にも適度に馴染み、機体が平べったいのもあって、難易度は高くないです。ただ、面積が広く乾燥には時間がかかるので、トップコートなどの際は注意が必要かと。

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製作中に「アメリカが対電波源ミサイルであるAGM-88 HARMを供与し、Mig-29を搭載機として適合作業を実施した」とのニュースが入り、急遽、タミヤF-16のキットの余剰品を搭載させました。HARM用のアダプターがこだわりポイント。

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現在進行中の戦争という状況、ほぼ架空機に対して写真一枚も公開されてない武装を搭載というモデリング、目くじら立てる人もいそうですが、ウクライナを応援する意味も含めて製作しました。あらためて、ウクライナに愛をこめて。

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