2011.12.15

平成23年度決定F-Xの個人的総括

まだ防衛省から正式発表はされてませんが、各新聞紙の報道、わけても国営放送が内定というのであれば、F-4EJファントムⅡおじいちゃんの後継であるF-X(40機採用)はロッキード・マーティンF-35AライトニングⅡで決定なんでしょう。
今回のF-Xの候補であるユーロファイター・タイフーンおよびボーイングF-18E/Fスーパーホーネットと前記F-35Aはそれぞれに一長一短あり、ミリオタたちの恰好の議題となっていました。タイフーンは高い機動性能とライセンス生産を含む広範囲な情報開示という、防衛産業の裾野を含めれば、これまでのF-Xのように「ヨーロッパ製の機体は当て馬」という評価をくつがえした候補。スーパーホーネットは空自が求める要求性能の一部である、高速インターセプターとしての能力はやや劣るものの、多彩な搭載兵器と先進FCSでそれをカバーする無難な候補。F-35Aは高い低観測性をそなえ、AESA(先進アクティブ)レーダーとEOTS(光学観測システム)を組み合わせて高いSA(状況認識)をパイロットに提供し、ネットワークを駆使して戦闘を行うという、まさに新世代戦闘機なのですが、開発段階の機体の上、トラブル続きで価格高騰。計画中止はさすがにないでしょうが、2016年という配備予定に間に合うのかという問題を抱えます。

今回のF-X決定の初報を受けて個人的に印象的だったのは、Twitter上で我々シロウトのミリオタがF-35A決定にやや釈然としない意見が多かったのに対し、各専門誌で記事を執筆する評論家諸氏がほぼ肯定的な意見だったことでした。このことをつらつら考えるに、接している情報の深さに差があるのはもちろんとして、やはりコクピットシュミレーターに触れているかいないかが決定的な差を生んでいるのではないかと考えます。自機の電子・光学・赤外線センサーとAWACSその他とのリンクで得た情報を統合する”センサーフュージョン”、そしてそれを操作する先進コクピットは、なかなか本を読んで写真を見るだけでは実感できない、画期的なことなんでしょう。

それでもまだ、個人的には釈然としない。F-35Aのその先進性能と”専守防衛”に代表される政府や自衛隊の方針に合致しているのか?日本の防衛産業の行方は?F-35のこれまでの国際共同開発体制との兼ね合いは?次のF-Xは?まあ、一番の要因はちょっと太り気味のその機体に”かっこ良さ”が足りないということのような気もしますが。

ともかく、F-35Aの導入がただの「使用機材の更新」でないことは明らかでしょう。空自がF-35Aをどう使っていくのか、長い目で見守りましょう。

2006.07.02

USSキティホーク招待見学に行ってきた その2

結局、2日目も見学に行ってきました。バカだなー、オレ。日曜の午前中もたいした混雑ではなく、さらに10時開始を30分早めてくれたので、スイスイと見学できた。今日は艦載機中心にレポート。
まずは、今月の航空ファンの表紙にもなったVF-102のF-18FのCAG機(NF-100)。
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撮影モデル役のパイロットの水分補給用ボトルにもガラガラヘビ。ダイヤモンドバックスはやっぱり一番人気。こちらは通常塗装機。
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展示の前面に出ているのは全てライノ。空中給油用バディポッド(A/A42R-1)、ターゲティング・ポッド(ASQ-228 ATFLIR)を搭載したままの機体もあり、多任務をこなしているんだなあと実感。マニアにあるまじきことですが、側面からではレガシー・ホーネットとライノ、識別が難しいです。ときどき、整備の人がクリーナーで機体の汚れ落としという”実演”をやってくれてました。
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アイランドの前には艦隊の目、VAW-115のE-2Cと対潜、救難などこなすHS-14のSH-60FとHH-60H。
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派手なテイルのSH-60Fを折りたたんで駐機していたのは意図不明。アングルデッキにはこんなふうにHH-60Hが展示してあるというのに。
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HH-60Hはエンジンの排気口にIRサプレッサー、機種にFLIRと、C-SARに備えた装備が特殊部隊っぽい。
こちらは現代戦の主役であるVAQ-136のEA-6B。
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確認した全機がECMポッド(AN/ALQ-99)3基を搭載したまま。
NF-100以外のCAG塗装機は格納庫の中で、グッズ売り場の前に展示されており、みなさん興味深そうに触ってました。
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個人的に気になったディテールをアップ。
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F-18Eの主脚収納庫。このパイピング、いつかは1/72で挑戦してみたいねえ。次はその後方、オイルドレンなど、一番汚れやすいところですね。
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F-18Cで3ヵ所、F-18Eで1ヵ所にオイル受けをおいてあったので、駐機しているだけでポタポタとオイルが落ちるらしい。で、整備員がそれを踏んで・・・
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こんな汚れが着くと。下はF-18Cの主翼折りたたみ部分についていたプレート。
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今は亡き、マクダネル・ダグラスの名が。これを撮ってるとき、整備員が「何を見てるんだ?」と訝しげな顔で話しかけてきたので「マクダネル・ダグラス」とプレートをさすと、「オレもミズーリ出身だ。戦闘機はマクダネルがナンバーワンだ」(超がつく意訳、もっと長いこと喋ってた)とサムアップサイン。ちょっと国際交流。
名残惜しく空母から退艦した後、ちょっとしたアクシデント。キティホークの後ろに停泊しているCG-63カウペンズを遠くから見ながら「タイコンデロガ級のイージス艦も近くで見たいよう」という感じで写真を数人で撮っていると、私服のアメリカ人が気を利かせてフェンスをどけ「Come in!」とカウペンズへの道が開かれる。「アリガトゴザイマス」(興味を持ってくれてありがとう、だったのかな?)と頭を下げる海軍の人に、「いえいえ、こちらこそ」とヘンな挨拶をしながらカウペンズへ。
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すると警官が飛んできて、「ここは見学コースじゃありません」と拡声器でがなる。で、またフェンスが閉じられてしまった。海軍軍人さんの親切だったのになあ。残念。

というわけで、2日間ほど空母を満喫。招待制がきいたのか、3度目の寄港ともなると慣れるのか、ホントに拍子抜けするほど人が少なかった。それでも小樽市役所の誘導員や周辺警備の警官、駅の通訳の人など、数千人単位の乗員が上陸する空母の寄港の大変さも実感。みなさん、お疲れ様です。
次は強襲揚陸艦ぐらい来てくれないだろうか(笑)。

2006.07.01

USSキティホーク招待見学に行ってきた その1

CV-63キティホークとCG-63カウペンズ(TaskForce70)が小樽港に入港、キティホークが招待制で一般公開が実施されたので行って来た。招待制といっても、ほぼ希望者には配りっぱなし状態なので、一般公開みたいなモン。
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まず、日曜日に現地に行かれる方へのレポートですが、招待制だったせいか土曜日だったせいか、混雑はそれほどでもありませんでした。道路はウイングベイの駐車場に入るクルマは並んでいましたが、周辺まで影響が及んでいません。自分はJRの小樽築港からの歩きでしたが、JRも混雑はなかったです。事前報道の少なさと、招待制は案外と影響あるのかも。ただそれでも、ID確認と金属探知機が自動的に入場制限となり、2時間近く日差しの中の行列でしたので(海風で暑くはないのですが)、紫外線対策はしっかりと。艦内では飲食物は販売してないです。
では、ヒコーキの写真は次回にして、雰囲気が伝われば、という写真をチョイス。
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最寄り駅から複合商業施設、ウイングベイ小樽の方向に歩くと、マリーナの向こうに空母が。艦載機もほとんど載ったまんまだ。もう、しょっぱなから冷静さを失っているオレ。
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絶好の好天の下、開場1時間前から行列に並ぶ。オレたちが並んでいるのと逆に、水兵さんたちは次々と上陸、街に向かっていきます。女性が多いのに驚く。入場者用の架橋の設置に手間取り、開場は30分遅れ。ID確認と金属探知機通過まで結局2時間近く日差しに焼かれ、やっと入場。
見学コースはまずエレベーターからデッキに上がり、甲板に並ぶ艦載機たちを見る。艦載機はデッキは中央部分が解放され、周りにライノやホーネット、プラウラーが並べられている。艦橋の前はホークアイとシーホーク。ほとんど定数がいた印象。
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空母ってやっぱりデカイ、と搭乗するまで船体を見上げながら感じてたが、デッキに上がると逆にせまい。というか、ライノはじめとして戦闘機が地上展示より巨大に感じる。この面積で数十機のハンドリングをするのだから、なみの駐機テクじゃない(笑)。見学者はフツーの方々が大半。アメリカ兵と和やかに記念撮影する光景の中、、オレも含めてローアングルで撮影しようと屈んだりするので、マニアはデカいカメラ抱えてなくてもスグに分かる(笑)。
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クレーン車など眺めつつ、艦尾側のエレベーターから格納庫へ降りる。そこでは、各隊のCAG塗装機をバックにして、グッズの大放出。もちろん、消防設備の説明なんかもやってました。
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格納庫の方は特にフェンスなどないので、プラウラーやホーネットに触れたりします。人目とマナーを気にしつつ、だけど気ははやる。
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そんな所、作り込んだりしないだろ、と思いつつプラウラーの着艦フックを観察。
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YF-17コブラからF-18ホーネットに生まれ変わるために、イロイロ無理をしていますが、スマートでない主翼折りたたみ部分もその1つ。なのでこんな保護カバーも必要になるんですね。
グッズ売り場には、CG-63カウペンズから出張してきたコスプレ売り子さんも。
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”Cowpens”なので牛さん、ということらしい。
格納庫を一回りして退艦、見学コースは終了。ときどきチラリとM-16携帯した海兵隊員も見えるので油断はしていないと思うが、想像していたよりもオープンでフレンドリー。女性が思ったよりも多かったり、ラテン系の水兵さんどうしだと、スペイン語で会話してたり、立って見回しているだけで面白い。願わくば、トムキャットが現役であって欲しかった。
でお土産はコレ。
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物欲が、止まらない。でも、明日見学を予定されてる方、VFA-192が販売してるDVDはオススメです。Mig-29のDACTの機内映像など収録されていて¥2,000はお徳かも。
さて、招待状は明日の分も持ってるんだけど、どうしようかね(笑)。

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